第三者の影響力とは、心理学における人間の欲求に関する論理です。人間の欲求の中で、他人の動向が気になるというものがあります。
これを心理学では、「親和・集団帰属の欲求」(マズローの欲求段階説・注参照)と言います。他の人と同じがいいという心理、他人と一緒にいたいという心理です。
たとえば、ブームや流行は集団帰属心理の表われです。少し前の「たまごっち」ブームが そうです。みんながやっていると、僕も私もほしくなるという心理です。「たまごっち」を持っていないと、他の人と話ができない、仲間外れにされるという状態・心理です。
有名人の愛用品が売れるのも、この心理に基づいています。あの有名人の持っているものと同じものがほしいという心理です。 人は1人では生きていくことはできません。常に、他人との距離感の中で生きています。
あの人より、営業成績がよくなりたい、活躍したいという心理は、相手の存在なしには考えられないことなのです。上に立ちたいという心理はありますが、1人だけ成績が上がっても価値がありません。相対的に、だれかより上なのか下なのか、というところで心が動きます。
このような心理に基づいて、「ある方がよいと言ってくれた」、「同じような地域・職業・年代の方に喜んでいただいた」というような卜ークを入れて興昧を持たせるやり方が、第三者の影響力です。
なぜ、このような手法を使うのかと言うと、人は「売られること」を嫌うからです。つまり、自分で決めて買いたいのです。ですから、直接的な「買ってください、話を聞いてください」は嫌われます。
この第三者の影響力は、他の方の意見です。人は他人の動向は気になるものです。他人の噂話は大好きです。人間のこのような心理をテレアポに応用するのです。
(注)マズ口ーの欲求段階説とは アメリカの心理学者アブラハム・マズロー( 一九〇八〜一九七〇年)は、その欲求段階説の中で、人間の欲求は、 5段階のピラミッドのようになっていて、底辺からはじまり、1段階目の欲求が満たされると、1段階上の欲求を志すと言っています。
5段階の欲求は下から、生理的欲求、安全の欲求、親和の欲求、自我の欲求、自己実現の欲求となっています。
生理的欲求と安全の欲求は、人聞が生きる うえでの衣食住などの根源的な欲求、親和の欲求とは、他人と関わりたい、他者と同じようにしたいなどの集団帰属の欲求。自我の欲求とは、自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める認知欲求。そして、自己実現の欲求とは、自分の能力や可能性を発揮し、創造的活動や自己の成長を図りたいという欲求のことです。
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